1,腕に傷を持つ男と不思議な力 2,出会い 3,関係 4,ドライブ 5,お互いの事を話す
6,旅行   7,運転手 8,大阪   9,アストンマーチンDB11  10,初めてのDIVA
11,ストーカーとヤクザ 12,同棲 13,菊池組と過去 14,過去を模索 15,親父の記憶と菊池組
16,菊池の動き 17,菊池雲の動き2 18,過去がまた1つ 19,佐々木と言う男  20,佐々木との再会
21,新たな動き 22,過去の記憶が新たに 23,那須高原 24,新たな進展 25,鈴木と言う男
26,鈴木と菊池組 27,新たな過去と菊池組 28,激化してくる菊池組 29,久々な普段の日常  30,誘拐
31,菊池組との抗争 32,決着 33,拘留 34,今後の行く末 35,最終章
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29.久々な普段の日常


 12月になり、菊池組は那須高原で襲ってきて以来、動きはなかった。

そんなある日の昼間。麻衣が仕事行く時間までリビングのソファーで何もせずテレビを見ていると、麻

衣は思い出したかのように横向きに座って俺を見てきた。

「ねぇ。佳ちゃん?あの・・・」

「ん?」

麻衣は言うのをためらっていたが、俺がどうしたのか突っ込むと俺を見て話しだした。

「あのね?今、私ここに一緒に住んでるでしょ?その・・・私、少しでもお金を・・・」

「ん?いらないよ(笑)」

言うと、麻衣は顔を横に振り、それじゃダメだと言う。

せめて生活費に関してはお金をだしたいと言っている。

「佳ちゃんがダメって言っても、私は払うんだから。いいでしょ?」

俺はフッと笑い、マンションの管理費や光熱費等の支払い用、家賃収入用の通帳等を取りに行った。

戻ってきて、麻衣の隣に座り通帳を見せた。

「この家に対しての家賃は無いけど、マンションの管理費は毎月支払うの。それと光熱費や駐車場とか、

この家で必要な支払いは賃貸で貸している部屋の家賃収入で足りてるのね」

そう言って説明しながら通帳を見せると、麻衣は何も言わずに見ている。

俺自身が使うお金は別の通帳に入っているお金だと言うと、麻衣は俺を見てきた。

「じゃあ、光熱費と・・・ううん。この通帳からの出費は私が払う。いいでしょ?」

今、俺の家にいるため、今までかかってた家賃と光熱費等の支払いが無いからと言い、光熱費を全部払

っても家賃分の出費が無いし、全然負担にもならないからと言う。

「ねぇ~いいでしょ?」

少し甘えた口調で言ってきて、俺は苦笑いをするだけしかできないでいた。

「・・・わかったよ。麻衣の好きにしていいよ」

「うん。ありがと」

俺はこの通帳はわかりやすい所にカードと一緒に置いておくと言って、通帳をしまった。

麻衣と話していて、俺はある事を聞いてみた。

「麻衣って。一緒に住んでいてなんとなく思ってたんだけど・・・・何かを買ったり、何処かに行って

お金を使ったりしないね?」

「え?あ・・・うん。佳ちゃんと一緒にいるのもあるんだけど・・・私、佳ちゃんと知り合う前だけど、

通信で勉強してたんだ。それもあって、お金を貯めてたってのもあるの・・・だからかな」

そう言って、麻衣はネイルの勉強をしてると言っている。

「キャバ嬢って、いつまでも出来ないでしょ?(笑)だから、今後のためにお金をためてネイルサロン

を出したいなって・・・って言っても、経営とか全然わかんないんだけどね」

「そっか。麻衣はちゃんと夢持ってんだね」

麻衣を見ると、俺を見てニコッとする。

「あ、経営の勉強したいなら、沙織さんに聞いてあげようか?弁護士だけど何かわかるかも」

「え~。そこまでしなくても・・・まだ、はっきりしてないし・・・」

俺は笑いながら、明日とかに今までの事も含め話しに行くから、その時にお土産持っていってお願いす

れば簡単に引き受けるかもと言うと、麻衣は苦笑いをしていた。

 

 翌日のお昼頃。沙織に連絡すると、いつでも来ていいと言ってきた。

俺は有名なスイーツのお店で、ケーキとかを買って行こうと言って家を出た。

そして買い物をして、沙織の事務所に顔をだすと、沙織は忙しそうにしている。

「沙織さん。差し入れ持ってきたよ。みんなで食べようと思って」

言うと、沙織はスイーツに食いつき、飲み物を持ってきた秘書も食い付いた。

聞くと、2人はかなりのスイーツ女子のようだ。

この時、秘書の人と日常会話を初めて交わした。

俺より少し歳上で、話すと意外とひょうきんな人だと解った。

4人でスイーツを食べながら世間話をしていて、俺は麻衣の事を言ってみた。

「沙織さん。サービス業関係の経営の事って・・・人に教える事出来る人?」

「ん?経営?私を誰だと思ってんのよ(笑)」

そう言って、何で経営の事を言ってきたのか聞いてきて、麻衣が俺に言った事を話すと沙織は真剣に話

しを聞きだす。

「まだ、漠然としてる状態みたいなんだけどね。経営の勉強をすればまた考え方とか変わると思うんだ」

「うん。わかった。いいよ。何か作ってあげる」

そう言って麻衣を見てニコッとした。

「あ・・ありがとうございます」

麻衣は照れながらも嬉しい顔をしていて、沙織はニコニコしていた。

「あ、じゃあ・・・何か持って行く?何かなかったっけ?」

「あ、はい。ありますよ。じゃあ、行きましょうか?」

そう言って、秘書は麻衣を連れて出て行き、俺はこのタイミングで探していた鈴木の事や、那須高原で

菊池組に襲われた事。そして警察の動きを全て話すと、沙織は何も言えずにいた。

「そっか・・・本当に話しが大きくなっちゃったね・・・ねぇ?佳ちゃん。もう全部警察に任せようよ。」

「・・・うん、わかってる。前にも言ったけど沙織さんはもう何もしなくていいよ。今までありがと」

話していると麻衣が1冊の本を持って戻ってきて、聞くとサービス業に関する経営の本だと言う。

「麻衣ちゃん?用意出来たら連絡入れるから、それまで待っててね」

「はい。よろしくお願いします」

この後、沙織は仕事をするとか言ってきたので、俺達は帰る事にした。


 事務所を出て、俺達が歌舞伎町に行くと、街はクリスマス模様になっていた。

時間的に麻衣の仕事に行く時間にはまだ早かった。

カフェに行くと、ハルがいて俺達を笑顔で迎えてくれた。

「あの・・・今、スイーツのセットしてるんですけど、よかったらどうですか?」

ハルが言うには、新作スイーツをセットでお得な料金設定にしていると言う。

これに麻衣が食い付き、セットにしてもらってる。

「さっき、ケーキ食べたばっかなのに、また食べるの?(笑)」

「え~。だって・・・・ここのケーキとか美味しいから好きなんだもん(笑)」

そう言って、麻衣はニコニコしている。

俺が笑いながら何か食べないのか聞くと、食べるけどケーキも食べると言っている。

この後、食事をして麻衣はまたケーキを食べていた。

 

 時間になり、麻衣はお店にと言ってケーキを買い始めた。

麻衣はたまにキャストの子達に差し入れを買って行くと言う。

毎回買って行くと人数多いから大変だと言い、今日は人数少ないからと言って笑っている。

俺は笑いながら、少しお金を出してあげると、俺を見て申し訳なさそうな顔をしていた。

この後、麻衣とお店の前で別れ、街を歩いていると1人の男性が近寄ってきた。

「組長がお呼びです。少し時間ありますか?」

「組長?」

俺は何も予定が無かったから会う事にした。

東龍組の事務所に行き、俺はそのまま組長の部屋に案内されて中に入ると、組長と東郷がいた。

「こんばんは。何か用ですか?」

「来てもらって悪かったね。菊池組の事を知りたいんだが・・・」

そう言って、東郷は俺にソファーに座るように言ってきた。

何も言わずに座ると、向かいに組長が座って葉巻を吸いだす。

「菊池組の何が知りたいんですか?」

「全部だ。お前さんが知っているのを全部教えてくれないか?」

組長の言葉に、俺はフッと笑った。

「いいですよ」

そう言って、最初に俺は菊池組に殺されると言われ、理由も教えると2人は驚き、何も言えないでいる。

何度も菊池組は俺を襲ってきて、そのたびに返り討ちをして組員達は警察に捕まっていると言った。

「おそらく・・・東京進出計画の時、俺や親父達の事を思い出したんでしょうね。計画に邪魔にならな

いように始末をしようとしてたんでしょう」

「あんた・・・意外と平然としているが、怖くないのか?殺されるかもしれないんだぞ」

ヤクザの組長なのに意外な言葉が出たことに、俺は驚き苦笑いをしていた。

俺は、現在警察が大元の銀政会と菊池組を一掃するために、東京と大阪合同で捜査をしていて、証言や

俺達が出した届けや現在捕まっている組員達。これで追い込む準備をしていると教えた。

「今は様子見です。でも・・・俺に関わる人が菊池組に何かされた時は容赦しないですけどね(笑)」

組長達は何も言えずに俺を見ている。

「佳悟と言ったな?もし、必要なら東郷達を助太刀で動かすから遠慮なく言いなさい」

東郷を見ると、俺を見てうなずく。

「前にも言ったと思いますけど・・・俺はヤクザと喧嘩は嫌いです(笑)じゃあ、俺は帰りますね」

そう言って、その場を後にした。


 日にちが過ぎ、数日後にはクリスマスが来て、街も賑やかになり正月を迎えるだろう。

俺は何をする事もなく、いつものようにしていた。

麻衣は俺がおとなしくしているせいか、何も言わないでいる。

DIVAではクリスマスとして、イベントをしていてキャストはコスプレをしていると言う。

俺は暇な事を理由にお店に顔を出すことにした。

DIVAに久しぶりに顔を出すと、麻衣が可愛がっている瞳が席についた。

「瞳ちゃん久しぶり。元気してた?」

「お久しぶりです。元気です(笑)」

瞳はワンピースタイプのセクシーなサンタコスをしていて、胸元が強調されている。

この事を言うと、恥かしがりながらお酒を造っていた。

周りを見ると、キャストがサンタコスをしているせいか、異様な雰囲気になっている。

瞳は笑いながら、麻衣もサンタになっていると言ってきた。

「瞳ちゃん、指名とか増えてきてるんでしょ?お客さん喜ぶんじゃない?(笑)」

「え~そんなことないです(笑)私を指名してくれるお客さんって・・・彼女いたり、奥さんがいたり

する人が多いから・・・こういう時は、少ないんです」

そう言って、今日は指名が入ってないからここにいたいような事を言う。

俺はニコッとして、黒服を呼んで瞳を場内指名にすると言うと、瞳は驚いている。

「こうすれば、指名被らなければここにいれるでしょ?(笑)」

「でも・・・」

俺は笑いながら、こういう時は遠慮しちゃダメだから気にするなと言うと、瞳は嬉しそうな顔をした。

少しして麻衣が俺の所に来て、俺がジッと見ていると麻衣はあまり見るなと言って笑っている。

コスプレの事を言うと、パーティードレスタイプだとか言っていた。

似合っていると言うと、嬉しい顔をしてお酒を飲みだした。
 

 麻衣は指名が多いせいか何度も席を外していた。

そのぶん、瞳が麻衣の代わりにずっといてくれた。

「あ、クリスマスはどうするの?」

「・・・仕事・・・かな?」

瞳は彼氏がいないから暇してるし、お店に来れば知ってる人もいるし気が楽だと言う。

話していると時間も午前0時を過ぎたくらいから、客の数も減ってきていた。

瞳もなんだかんだ言ってお酒を結構飲んでいたのか、まったりモードになっている。

タバコに火をつけると、麻衣がフラフラになりながら戻ってきた。

麻衣も指名席で結構飲んだようで、テンションが変だ。

3人で閉店まで飲んでいると瞳は酔い潰れ、麻衣は怪しい感じになっていた。

俺は2人を連れて帰ると店長に言い、タクシーを呼んでもらった。


 家に帰ると麻衣はフラフラしながら何とか歩いていたが、瞳は完全に寝てしまっていて、俺は瞳をお

んぶして家に入って行った。

麻衣はそのまま寝室に行ってしまい、俺は瞳をゲストルームに連れて行って寝かせてから寝室に行くと、

麻衣はそのままベットに横になって寝ていて、俺はため息をしながらも睡魔に襲われ、そのまま麻衣に

腕枕をしてあげて寝てしまった。


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