|
14.過去を模索 いつの間に寝ていたのだろうか。 リビングのドアの音に気が付くと、明かりがついた。 「きゃっ・・・何?」 麻衣が帰ってきた。 俺が身体を起こして周りを見ると、物が散乱しているような光景が目に入った。 「おかえり・・・ごめん・・・ちょっと探し物をしてて・・・いつの間に寝ちゃった」 言うと、麻衣は呆れた顔をしている。 「何探してたの?って、こんなに・・・この家にあったんだね」 俺は苦笑いをしながら、親父が書斎にしてた部屋にあった一部だというと、驚いた顔をしている。 麻衣は飲み物を持ってきて俺に渡して、探し物は見つかったのか聞いてきた。 何もわからないと言い、その代わりに両親の事を今いろいろ思い出しながら見ていたと言うと、麻衣は 気になる顔をしている。 「知りたくなったでしょ?(笑)俺の親父・・・建築の会社を持っていたみたい」 「え?お父さんの仕事知らなかったの?」 記憶に残ってないと言うと、不思議な顔をしている。 俺はスケジュール帳を麻衣に見せて、俺はまだ見てないスケジュール帳を見始めた。 見て行くと、大阪の文字が目に入った。 日にちを追って行くと、菊池組と書いてあるのも見つけた。 「あ・・・」 親父は佐々木と言う男性と大阪に頻繁に行っていて、菊池組の誰かとも会っているのが解った。 「どうしたの?」 「ん?あ・・・俺ねこの前、大阪に行ってるでしょ?その時に、過去に大阪に来た事あるのを思い出し たんだ。それと・・・これ」 そう言ってテーブルの上に置いてあった菊池組のバッチを麻衣に見せた。 「菊池組ってヤクザのバッチなんだけど、親父は大阪で菊池組と会ってるみたいなんだ」 そう言ってスケジュール帳を見せると、麻衣は何も言えないでいる。 「俺・・・親父達が死んでから、過去の記憶や親の事を考えなかった・・・それだけ、関心を持たない っていうか・・・思い出したくなかったんだ」 麻衣は何も言わずに俺の話しを聞いていた。 俺は立ち上がり、箱の中に入っているのを見て行くと、ある書類を見つけた。 見ると、この家の権利書とかの書類で、名義を見ると俺の名前になっている。 「そういえば光熱費関係も俺の名前だったな・・・」 俺は思いだしたかのように光熱費の請求書とかを改めてみると、名義は全部俺の名前だった。 この家には親父やおふくろ名義の物は何もないのか。 ここまでくると、全部知りたくなる。 「俺・・・明日、区役所に行ってみようと思うんだけど・・・」 そう言って、銀行にも行って通帳記帳とかもしてくると言うと、麻衣はニコッとした。 「私も一緒に行ってもいい?私も佳ちゃんの過去の事知りたいし・・・いいでしょ?」 そう言って、俺を見てニコニコしていた。
そして朝になり、俺は区役所が開く時間に合わせて麻衣と向かった。 住民票や戸籍謄本とかを発行してもらって確認してみると、親父やおふくろの名前が無く、俺の名前だ けしか記載されてなく、死亡欄を見ても空欄だった。 麻衣に見せると驚いている。 「やっぱり、親父達の名前がない・・・なんでだ?」 この後、銀行や郵便局に行って通帳記帳をしたりしていくと、通帳には莫大な金額が記帳されていた。 車に戻り、俺はため息をついた。 「佳ちゃん?焦ってもしょうがないから・・・・慌てずにゆっくり探しましょ?私も手伝うからさ。ま だ家にあるので見てないのがあるんでしょ?」 「・・・麻衣」 麻衣は俺を見てニコッとしてきた。 この後、家に戻り俺達は親父の書斎に入った。 麻衣は初めて入ったのと、莫大な物量を見て唖然としている。 俺達は、麻衣の考案で探しながら部屋を整理していこうと決めて片付けをして行くと、麻衣がアルバム のようなのが入っている箱を見つけて俺に見せてきた。 見てみると、俺が生まれた頃からの写真で、他にもアルバムに入れてない写真とかもある。 「生まれた時の佳ちゃん可愛い(笑)」 麻衣は写真を見ながらニコニコしている。 「写真見たいでしょ?他にアルバムあるはずだから整理して?(笑)」 「うん(笑)」 麻衣はニコニコしながら写真を整理しだす。 俺は笑いながら他の箱の中を確認しながら整理していくと、箱の中から大量の日記帳が出てきた。 「ん?日記?」 1冊取り出して見ると、どうやらおふくろが書いてある日記帳のようだ。 後で見ようとリビングにもっていき、時計を見ると麻衣は仕事に行かないといけない時間だった。 「麻衣?今日仕事だよね?もう時間じゃない?」 「ん?あ・・・言わなかったっけ?今日は休みだよ?(笑)」 俺が苦笑いをしていると、アルバムの整理終わったと言ってきた。
俺と麻衣は晩御飯も食べずに整理していた。 そのおかげで部屋はだいぶ整理が出来て、見てない箱が少しだけ残った。 俺が今日は終わりにして、明日またしよう。何か食べようと言って終わりにさせた。 出前を取り食事をしてから、俺は日記帳を見ようとすると麻衣は隣に来て覗き込んだ。 「日記?綺麗な字だね」 「うん・・・おふくろの日記みたいなんだ」 2人で見ていくと、俺が生まれた時からのようだった。 俺が生まれた日は、親父も付き添いでいたようで、おふくろは嬉しかったような事が書いてある。 それから、俺の成長日記のようなのと一緒にいろいろ書いてあり、同時に家を建ててお手伝いさんとか 雇ったりしていたが、おふくろはあまりいい気持ではいなかったようだった。 親父は仕事で家を留守にするのが多く、俺の遊び相手は佐々木と言う男性がしていたようだ。 「これ・・・記憶が消えてるんだけど・・・ここに住む前は大きな家に住んでたみたいで・・・それに この佐々木って人・・・微かに覚えてる・・・でも、顔がわからないんだ」 麻衣は何も言わずに俺の話しを聞いていた。 俺の性格は小さい頃から負けず嫌いらしく、父親譲りだと書いてある。 そして中学生になった頃から、俺は武道とかいろいろ佐々木と言う人に教えてもらっていて、性格的に 傷を作っても教わるのを辞めないでいたようだ。 麻衣は見ながらクスクス笑っている。 俺は苦笑いをしながら見て行くと、高校になってから家に寄り付かなくなったと書いてあった。 その頃を思い出すと、確かに家に寄り付かず帰ると親父に殴られて、喧嘩してた記憶が微かにある。 麻衣に教えると、よくある家庭の話しだと言ってきた。
2人で見ていると、親父が会社を辞めて家を売り、マンションを買って3人で住む事が書いてあり、 おふくろは喜んでいる事も書いてあった。 「これがここ?」 「・・・うん」 日記には、それでも俺は家にいない事が多く、おふくろは悩んでいたようだった。 そして、俺が佐々木と大阪に行った事が書いてある所で俺の手が止まった。 「あ・・・大阪・・・」 次のページをめくると、俺と佐々木が誰かに襲われ、大ケガをして入院したと書いてある。 「佳ちゃん、交通事故の前に大怪我してるの?」 「・・・うん。そうみたい・・・でも、記憶がないんだ・・・」 麻衣は言葉を失っていた。 ページをめくると、毎日のように大阪の病院に親父達は来ていたようだ。 そして、「明日が退院」と題しておふくろの楽しみにしているような内容が書いてあり、3人で退院祝 いをする事が書いてあったが、次のページは空白のページだけで日記は書かれていなかった。 「たぶん・・・この後、俺達は交通事故にあって・・・俺だけ生き残り、親父達が・・・・俺、おふく ろに心配ばかりさせてた・・・」 薄っすらと涙を浮かばせると、麻衣はそっと俺を抱きしめてきた。 「佳ちゃん・・・自分を責めないで?」 麻衣は、交通事故は別として、俺が生まれてからの事はよく聞く話しだと言って慰めていた。 しばらくして、俺は麻衣から離れて麻衣を見た。 「ごめん・・・」 言うと麻衣はニコッとして顔を横に振っている。 「俺・・・無くなった記憶を探してみようかと思う」 「うん。そう言うと思った(笑)私・・・手伝えることがあれば協力したい。いいでしょ?」 そう言って麻衣はニコッとしてきた。 俺は親父達の事、消えた記憶を探して行く事を決めた。
|