|
8.大阪 翌朝。俺は沙織と東京駅から新幹線に乗り大阪に向かっていた。 新幹線の中で、沙織は俺に最近の事を聞いてきた。 「昨日久々に会った時に、いつもより表情が変わったように感じたんだけど・・・最近、何かいい事と かあった?」 「え?」 今までは人を寄せ付けないような雰囲気だったのに、最近それが無くなったような表情だと言う。 「時間はたっぷりあるから話しなさいよ(笑)」 俺は苦笑いをして、渋々話しだした。 麻衣と言うキャバ嬢と出会い、そして今現在は恋人として付き合いだしたと言うと、沙織は俺を見て右 腕の事を麻衣は知っているのか聞いてきた。 「・・・うん。全部知ってる・・・そして、俺は俺として自由に動いてていいって・・・」 「ふ~ん・・・そっかぁ・・・佳ちゃんに恋人ねぇ~(笑)」 そう言って、沙織は周りを見て、俺の手をスカートの中に入れてきた。 「じゃあ、こういう事も・・・もう出来ないのかな・・・」 言いながら沙織は俺にキスをし、抱き着きながら俺の手を動かしていく。 俺は何も言わずにキスをしながら、スカートの中で沙織のあそこを刺激しだす。 「ん・・・んっ・・・あっ・・・声・・・で・・・」 沙織は声を殺しながら感じだし、俺の腕を掴んでいた。 「あ・・・だめ・・・いっちゃう・・・んっ」 沙織はいってしまい、俺がそっと抱きしめるとキスをして俺から離れた。 この後、俺達は何事もなかったようにしていた。
新大阪駅に着くと、俺達はタクシーに乗り移動した。 移動している時に街を眺めていると、過去に俺は大阪に来ている感覚になり、いろいろ考えていた。 目的地に着き、俺は秘書のように荷物を持ち、沙織の後をついていく。 案内されて応接室のような所で、沙織は会社の人間と話しだした。 そしてしばらくして、話し合いのようなのは平行線で終わったようで、沙織は俺に帰ると言ってきた。 一緒に外に出ると、2人の男が物陰から俺達を見ているのに気が付いた。 「沙織さん。さっきから2人の男が」 バレないように指をさすと沙織はチラッと見て、ため息をついてきた。 「もう面倒になってきたかなぁ・・・ま、しょうがないのかな・・・それよりも、少し早いけど何か美 味しいの食べて東京に戻ろうか?」 俺が苦笑いをしていると、沙織が道頓堀に電車で行こうと言って歩きだした。 道頓堀に行くと、大阪に来たらお好み焼きだとお互いに気が合い、お好み焼き屋に入った。 お好み焼きを焼いている時に、俺は話しだした。 「沙織さん・・・俺、なんか前に大阪に来たような記憶があるんだよね」 「え?そうなの?佳ちゃんの記憶って、断片的に無くなってるんだよね?」 俺がお好み焼きを食べながら、今だに思い出せないと言うと、沙織も食べながらいろいろ聞いてきた。 「ん~。佳ちゃんって・・・記憶が断片的に無くなったのもそうだけど、右腕の事や・・・そして何で 歌舞伎町を彷徨ったりしているのか・・・謎が多いね・・・佳ちゃんはどうしていきたいの?」 「え?わかんない・・・でも、この右腕の事は何で力が備わったのかは知りたいかも」 沙織はお好み焼きを頬張りながらも、苦笑いをしていた。 「でも、佳ちゃんって意外としゃべる人なんだなって。改めて感じたかな・・・いつもそっけないから 俺が苦笑いをしていると、早く東京に帰ろうかと言ってきた。 外に出ると、さっき見かけたスーツを着た2人の男が俺達の前に立ちはだかってきた。 俺が沙織の前にかばうように立つと、男達は俺を見てニヤリとする。 「東京から来よった弁護士はんやろ?ちーとばかし付き合ってくれるか?」 「嫌だと言ったら?」 そう言って、俺は沙織の手を握り逃げだした。
沙織を連れて、知らない街を男達から逃げるには限界があった。 路地裏に逃げて行くと、行き止まりになってしまった。 「くそっ・・・沙織さん、ちょっと後ろ下がってて?」 そう言ってジャケットを脱いで、カバンと一緒に沙織に渡した。 「佳ちゃん?」 沙織の反応に俺はニコッとして、男達の方を見た。 「逃げんとおとなしくせーー!おのれら今関わっとる事から手を引けや。でないと痛い目にあうぞ!」 俺は右手の数珠に左手を添えると、男の1人が近寄ってきて胸ぐらをつかんだ。 その瞬間。俺は数珠を外して男のみぞ内に力を込めて拳を打ち込むと、男はその場に膝から崩れ落ちる。 「おのれ何しとんじゃ!!」 男は腰から小刀を出してきて、俺が走りながら小刀を蹴り飛ばすと、男は俺を捕まえて顔を殴ってきた。 「ぐっ・・・いってぇ」 後ろによろめくと男はまた俺に殴りかかってきた。 何発か殴られたが、攻撃を避けて懐に入り顎にめがけて下から拳を突き上げると男は1歩後ろに下がる。 同時に腹に拳を入れたが、男は効かないのか倒れず俺を見てニヤリとした。 「不死身か?じゃあ・・・これならどうだ」 そう言って、男の胸元に手をあて念じて少し押すと、男は白目をむいて倒れた。 俺は深呼吸をして周りを見ると、男2人は倒れている。 男のスーツの胸元とかポケットをあさると、名刺が出てきた。 「菊池組?ヤクザか?」 沙織の所に行き、ジャケットを受け取ると沙織は心配そうな顔をしている。 取り上げた名刺を渡して数珠をすると、すぐに激痛が始まった。 「ぐっ・・・」 腕を抑えると段々痛みが増してくる。 「佳ちゃん、大丈夫?早くいこ?」 そう言って、沙織は俺に肩を貸してきて俺は何とか歩いて行った。 道路に出て沙織がタクシーを捕まえようとしている時に、俺は激痛に負けてその場に倒れてしまった。
気が付くと俺はホテルのベットに寝ていて、擦り傷とか手当してあった。 身体を起こすと、ちょうど沙織が浴室からガウン1枚で出てきた。 「あ、気が付いた?佳ちゃん意識が無くなって倒れたからどうなるかと思ったけど・・・大丈夫?」 「・・・うん。ごめん・・・もう大丈夫」 身体を起こすと、沙織はニコッとして飲み物を俺に渡してきて、今日は東京に帰るには遅い時間だから 明日の朝に帰ろうと言う。 時計を見ると、もうだいぶ遅い時間になっていた。 窓際に行きタバコに火をつけると、沙織は吸い終わったらお風呂に入るように言ってきた。 俺はニコッとして、タバコを吸ってから浴室に行った。 シャワーを浴びながら、記憶に残っている大阪に来た事を考えたりしていたが思い出せない。 浴室からガウン1枚で出ると、沙織は何処かに電話をしている。 俺はそのままソファーに座りタバコに火をつけると、沙織は電話を終わらせ隣に座った。 「明日・・・帰る時・・・新幹線か飛行機どっちがいいかなぁ・・・」 俺が車で来てればよかったとか言うと、沙織は新幹線で行こうと言ったのは自分だからと言って謝る。 今日の事もあるから、場所的に伊丹空港から飛行機の方がいいとか言うと、沙織はうなずいた。 「でも、本当に右腕の力の使い方で気を失っちゃうんだね・・・佳ちゃんから聞いていたけど、実際に それを見たから・・・正直驚いたわ」 俺が苦笑いをしていると、沙織は俺にまたがってきた。 「佳ちゃん、ありがとね」 そう言って沙織は俺にキスをして抱き着いてきた。 俺はそのまま沙織を抱き上げて、ベットに移動して抱いた。
翌朝。早くにチェックアウトして飛行機で東京に戻り、お昼過ぎに家に帰ると変な脱力感が俺を襲い、 俺はそのまま寝室で寝てしまった。 夜まで寝ていて起きてからスマホを見ると、麻衣からLINEが来ていて今日会いたいという。 時計を見て、これから行くからカフェで待ち合わせしようとLINEを送って家をでた。 カフェでアイスティーを飲んでいると、麻衣が仕事を終えてカフェに来た。 「え?顔・・・どうしたの?」 「お疲れさま。あ、ちょっとね」 麻衣は大阪で何かあったのか聞いてきて、俺は苦笑いをしながら話すと心配そうな顔をする。 「最近、右腕使ってないみたいだから大丈夫だと思ってたけど・・・」 「うん。大丈夫だよ。麻衣って心配症だったっけ?(笑)」 麻衣は苦笑いをしながら俺を見ていた。 この後、俺は家に麻衣を連れて帰ると、珍しく俺に甘えてきた。 眠くないのか聞くと、俺と一緒にいる時に、眠いと何も出来ないとか言って笑っている。 俺はニコッとして麻衣を抱いた。 後日。沙織から連絡があり、大阪での事で法的手段をとる事になったと言ってきた。
|