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20.佐々木との再開 朝早くから佐々木に会うため、静岡県の富士山麓にある朝霧高原に程近い施設に向かっていた。 途中で休憩をして朝霧高原に向かっていくと、ナビがもうすぐ目的地に着くと言っている。 周りは高原のようにひらけていて、のどかな場所だった。 走って行くとナビでは到着と言ってきて、門を通り敷地に入って行くと5階建ての建物が見えてきた。 「着いた」 「うん」 駐車場に車を停め、俺は麻衣を連れて入口にある管理室で名前を言って遠い身内だと言うと、佐々木は 1人で散歩に外に行っていると教えてくれた。 外を歩いて行くと公園のような所に着き、1人の男性が車椅子に座って遠くを見ているのが目に入った。 俺と麻衣が近づいていくと、俺達に気が付いたのかこっちを見ている。 「あの・・・佐々木さんですか?」 「・・・まさか・・・け・・・佳悟か?」 俺がニコッとしてお辞儀をすると、言葉を失っている。 「はい。佳悟です。ご無沙汰してます」 言うと、佐々木は嬉しい顔をして俺を見ていた。 「佳悟・・・久しぶりだね。元気そうじゃないか(笑)」 「お・・・お父さん?」 突然俺の後ろにいる麻衣が言ってきた。 「ま・・・麻衣なのか?」 「うん。麻衣です・・・お父さん・・・生きてたんだね」 涙目になっている麻衣を見て、俺は最初理解できないでいた。 「麻衣?もしかして・・・佐々木さんの1人娘って・・・麻衣の苗字って・・・」 「・・・うん。信じられないけど・・・私、旧姓は佐々木って言うの。言ってなかったね」 麻衣は佐々木の所に行って泣きだした。 今、俺を子供の頃からいろいろ面倒を見てくれていた佐々木との再会。 そして、俺の親父のために身を捧げた佐々木と、離婚して離れ離れになった娘の麻衣との再会。 偶然なのか、神様のいたずらなのか、同時に2つの再会が起きていた。
俺は佐々木の前にしゃがんで話しだした。 交通事故で記憶が断片的に無くなり、佐々木の事がほとんどわからないでいると言うと、佐々木は今で も俺と過ごした事を鮮明に覚えていると言ってきた。 俺は苦笑いをして、その交通事故で親父とおふくろを亡くしたと言うと、付き合いのある弁護士から聞 いていたと言い、俺の記憶の事を心配してきた。 今現在、親父の事を調べていて、いろいろわかって来ているのも教えると、佐々木は黙っている。 「佐々木さん。菊池組は知っていますね?」 佐々木は視線を遠くに向けて何も言わない。 俺は、最近になり菊池組が東京に来ていて、俺とも接触してきて問題を起こしている事を言った。 「佐々木さん。大阪に俺を連れていった時に、菊池組に襲われて俺と佐々木さんは大怪我を・・・そし て佐々木さんは今の状態になったのはわかりました・・・今、親父達が死んだ原因の・・・交通事故の 犯人を菊池組と想定して、警察が再捜査を始めてます。」 そう言って現在の菊池組の事も解ったと教えた。 「佳悟。お前は何をしたいんだ?」 「俺は・・・この前、麻衣の働いている所で菊池組が暴れて、麻衣が殴られたりしました。俺は麻衣も 含め、関わる人達を守りたい。そのために俺は何でもする・・・それだけです」 佐々木は俺を見て、俺に何が出来るんだと言ってきて、俺は麻衣をチラッと見て静かに立ち上がった。 周りを見て大きい岩を見つけ、数珠を外しながら近寄り、手の平を添えて目を閉じる。 すると岩は爆発して粉々になり、佐々木はそれを見て驚いている。 「交通事故の後・・・俺の右腕に大きな傷跡が残り・・・不思議な力が・・・」 そう言いながら袖をまくり傷跡を佐々木に見せると、佐々木は何も言えない状態でいる。 過去の消えた記憶も知りたいが、この力は何で俺の右腕の宿ったのかも知りたい。 そして、これで麻衣達を守れるならしていきたいと言って、数珠をはめた。 「だけど・・・この力を使うと、腕に激痛が走り動けなくなったり・・・」 腕には痛みが走りだしたが、すぐに収まるだろう。 腕を押さえて我慢していると、少しして痛みが無くなり普通に動けるようになった。 佐々木と麻衣を見て、俺からは今日はもう何も言わないと言い、今度来る時に今まで調べた事とかもっ と細かく話すと言って、帰るまでの時間は親子の時間を過ごしてと言った。 「麻衣?俺、この近くで何かお土産のようなのを買える所を聞いて行ってくるから、それまでお父さん と一緒にいていいよ。久々に再会出来たんだし(笑)ね?」 「佳ちゃん・・・ありがとう」 俺はニコッとして、佐々木にも同じ事を言ってその場から離れた。 施設に行き、地元名産のお土産等が売ってる場所とか無いか聞くと、車で30分位行けば道の駅のよう なのがあると教えてくれて、俺は車に乗りタバコに火をつけて車を走らせた。
国道に行く一本道を走っていると、前方から車が1台走ってきた。 走ってくる車とすれ違う時、大阪ナンバーで中には4人が乗っていたのが見えた。 「大阪ナンバー?まさか」 俺は車を方向転換して、車を追いかけた。 施設に戻ると車は停まっていて、俺は車を停めて麻衣達のいる方に走って行くと、スーツの男4人が麻 衣達を取り囲んでいた。 「麻衣!!」 「佳ちゃん!!」 すると、1人の男が俺の邪魔をするように目の前に立ちはだかる。 「なんやわれ」 よく見ると金バッチのようなのをつけているのが見えた。 「関西弁・・・菊池組か?」 「あ?何でわかるんや?お前・・・小暮圭吾か?」 俺は迷わず数珠を外した。 「ビンゴか。だったら遠慮しないでやれるな(笑)そうだよ。俺は小暮佳悟だよ」 一瞬の隙に懐に入り、胸元に掌底をあてて少し押した。 男はその場に倒れて動かなくなる。 そのまま近くにいる男に走りこんで蹴りを入れ、そして横の男を殴り胸元を掴み投げ飛ばした。 「佳ちゃん!!」 見ると男の1人が麻衣を掴んでいる。 俺が動きを止めると、後ろから羽交い絞めのようにされ俺は捕まった。
男達は、1人は動かず倒れているが、1人が麻衣を捕まえている。 そして俺は後ろから抑えられ、1人の男が俺の顔を殴ってきて、胸元から小刀を出してきた。 「お前達には死んでもらうわ。悪く思うなよ」 「嫌だと言ったら?」 この瞬間、俺を抑えてる男の腕をはらい、右腕で肘を腹に入れて小刀を持っている男の腕を掴んだ。 俺が力を入れると、腕は潰れるようになり音とともに変な方に曲がる。 「ぐあっっ!!」 そのまま胸元に肘を入れると、男は後ろに飛ばされ倒れた。 そして、もう1人の男に飛び蹴りをし、胸元を掴み数発殴ると男は白目をむいた。 すっと立ち上がると麻衣を抑えている男は、焦った顔をしている。 「こ・・・これ以上動くな!!こいつ死んでもええんか?」 俺は足元に落ちている小石を1個拾い、麻衣を見ると怯えているが、俺を見ている。 軽くうなずき俺は親指で小石を弾き飛ばすと、男の額に命中し麻衣から離れた。 麻衣はそのまま逃げるようにして行き、俺は走って行き飛び蹴りをした。 男は後方に飛ばされて、岩に背中から打ち付けられて、そのまま倒れて動かなくなった。 麻衣の所に行くと、麻衣は俺を見て抱き着いてくる。 「大丈夫?」 「うん」 俺は男達を動けないように縛り付けて、東京の近藤に連絡をした。 佐々木の所に戻ると麻衣が佐々木に寄り添うようにしていて、ベンチに座り数珠をはめると激痛が走る。 「ぐっ・・・」 腕を抑えるように前かがみになると、麻衣が俺の横に来て抱きしめてきた。 「佳ちゃん大丈夫?」 「・・・麻衣・・・ごめん・・・警察がもうすぐ来るから・・・」 俺の意識は段々薄くなってきて、そのまま俺は動かなくなった。
気が付くと俺は麻衣に膝枕をされてベンチに寝ていた。 周りでは、警察官達が菊池組を連行したり現場検証とかをしていて、佐々木の方を見ると警察官に事情 聴取をされていた。 「大丈夫?」 「あ・・・うん。ごめん・・・もう大丈夫」 そう言って俺は身体を起こした。 「小暮佳悟さんですよね?近藤刑事から伝言です。東京に戻ったら顔を出せと」 「はい。お騒がせしてすみません」 警察官は少し事情を聞きたいと言ってきたので、俺は協力した。 事情聴取を終えて、麻衣と一緒に佐々木の所に行くと警察官達は帰って行った。 「佳悟。大丈夫なのか?」 「はい。大丈夫です・・・佐々木さん、これが今の俺です」 佐々木は何も言わずにいる。 「佐々木さん。今日は・・・帰ります。また近々来ます。その時にまた話しをしますので、佐々木さん も俺の知りたい事を・・・知っているなら話してください」 「・・・わかった。気を付けて帰るんだよ?」 俺はニコッとしてうなずき、麻衣に先に車に行ってるから佐々木を施設の方に連れて行ってあげてくれ と言って、歩いて行った。 麻衣達と別れ、車に行き俺は近藤に連絡をした。 『近藤さんですか?佳悟です。すいませんでした。これから東京に帰ります』 『お前、大丈夫なのか?さっき連絡が来ていろいろ聞いたが、お前気を失っていたっていうじゃないか』 俺は笑いながらここ1年位い、力の使い方によっては気を失ったりすると言うと、近藤は俺の事を心配 しているような事を言ってきた。 話していると麻衣が来て、俺は近藤にこれから帰るから、明日に顔を出すと言って電話を終わらせた。 「お父さんは?」 「うん。なんか疲れたみたいで、少し休むって言ってた」 「そっか。じゃあ東京に帰ろ?」 そう言って、俺は東京に向けて車を走らせた。
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