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11.ストーカーとヤクザ
9月に入って残暑がまだまだ続いていた。 あれから麻衣に告白してきた男はお店には来てなく、連絡とかもこなくなったと言っていたが、あ る日の夜に麻衣から、男がまた来たとLINEがきた。 俺は歌舞伎町に来ていたから、すぐに行く事にした。 DIVAに行くと、店長が俺を迎えてきて麻衣から話しを聞いていると言って、俺を席に案内した。 席がまたVIP席なのを言うと、気にしないでいていいと言っている。 店内を見ると、男と麻衣が席に座っていて、男の隣に2人のスーツを着ている男がいた。 「佳悟さんこんばんわ~」 席に来たのは瞳だった。 「瞳ちゃん元気してた?」 聞くと瞳は満面な笑顔でうなずいている。 俺は何かボトル入れようかと言って、黒服にボトルを入れるように言った。 「麻衣さんから聞きました。今日はなんかヤクザみたいな人を連れてきてるんですよ」 俺はうなずいてタバコを吸いだした。 ボトルも入り、瞳にお酒を飲んでいいと言って、俺は車だからソフトドリンクを飲んでいた。 2人で話していると少しして麻衣が席にきた。 「佳ちゃん、ごめんなさい・・・」 「うん。で?どうなの?」 麻衣は苦笑いをして、また付き合ってくれとかいろいろ言っていると教えてきた。 「こんばんわ。あんたこの子の彼氏なんだって?」 話していると、スーツ男の1人が現れて俺に言ってきた。 よく見るとスーツの胸元に金のバッチをしている。 やはり瞳が言っていたヤクザのようだ。 「だから何?」 男は向かいに座っていた瞳の隣に座り、瞳は怖くなり麻衣の方に行き何も言わないでいる。 「な?この子と別れてくれないかな?でないと困るんだわ」 「何が困るんだ?あんた東龍組だろ?俺の事知らないらしいな」 「んだこら!!ヤクザなめんなよ」 そう言って俺の胸ぐらをつかんできた。
麻衣と瞳は悲鳴をあげ、店内は静かになった。 「なめてねぇよ」 そう言って腕を薙ぎ払い、男の腹に1発拳を入れた。 男は後ろによろめくと、もう1人の男がこっちに来た。 「ちょっとまってろ。お前らの上の人呼ぶからおとなしくしてろよな」 「んだこら!!」 1人の男がまた俺の胸ぐらをつかんできたが、俺は気にせずスマホを出して電話をした。 『あ、東郷さんですか?えっと・・・右腕に傷の・・・はい、そうです。実は今、東龍組の組員に絡ま れてまして・・・キャバクラのDIVAに来てくれます?でないと、俺・・・ボコボコにしちゃうんで・・・ はい、待ってますね?お願いします』 電話を切り男の腕をはらい椅子に座った。 「今、若頭がくるから待ってろ」 男は何も言わなくなったが、もう1人の男が俺を睨んでいた。
少しして、東郷が数人とDIVAに現れた。 男2人は連れて行かれて、東郷が俺の所にきた。 「呼び出してすいません。座ってください。今から説明をします・・・・麻衣?店長に言ってあれ連れ てきてもらって?そんでちょっとだけ2人は席を外してて?ね?」 「・・・うん。わかった」 麻衣は瞳を連れて店長の所に行くのを見てから、俺はお酒を造り東郷の前に出した。 「俺は今日車なんで飲めませんけど・・・とりあえず飲んでください(笑)」 東郷が何も言わずにお酒を飲みだすと、麻衣に告白した男が連れてこられて東郷の隣に座った。 見ると男はビクビクしている。 「さて・・・前に忠告を出したのに懲りないね?どうしようか?」 男は何も言わずに下を向いている。 それを見ながら俺はタバコに火をつけた。 「お前さ。何ヤクザ連れてきてんの?バカか?東郷さん。たまに来た時に、麻衣を指名してくれてるっ て聞きました。今、麻衣は俺と付き合ってまして・・・こいつ、麻衣に告白をしてきて・・・一回忠告 したんですけど、今度は東郷さんの所の組員を連れてきてたんです。それで脅してきたんですわ」 東郷は横目で男を睨みつけ、男は脂汗をかきながら黙っている。 お金を払ってお願いしたのか聞くと、少しうなずいてきて、俺は呆れかえりタバコを消した。 「お前さ。自分がやった事理解できてる?そんなんで女口説けないし、嫌われるだけだぞ?」 男は何も言い返さず、俺の一方通行的な感じになってきた。
俺は我慢出来なくなり、男に向けておしぼりを投げつけた。 「なぁ。黙ってんじゃないよ。本当ならお前をボコボコにしたいけど、麻衣のためにそれはしないでい るんだからな」 言うと男はビクッとしたが何も言わないでいる。 「もういいや・・・もう金輪際ここに来ない。いや・・・この歌舞伎町に現れない。今度見つけたら俺 は容赦しないし、東龍組も黙ってないだろうな・・・わかったか?」 男は泣きだし、何度もうなずいている。 店長に紙とペンを用意してもらい誓約書を書かせ、店長に説明するとうなずいて男に帰ってもらった。 「東郷さん。東龍組の組員はマナーが出来てないのがいるって聞きましたよ(笑)そういう組員にはこ こに来させないでもらいたいですね」 「・・・わかった。そうさせる・・・今回はすまなかったな」 そう言って土下座をしてきた。 店内にいるキャストやお客達。ボーイ達も含め全員が驚き、唖然としている。 「やめてください。土下座するのはあなたのする事じゃない。頭を上げてお酒を飲んでください(笑)」 東郷は何も言わずに、席に座る。 この後、少し話しをして東郷は帰るといってきた。 「あんたと話しが出来て良かったよ。うちの奴らの話しと違うのがわかった。いや、あんたに対して見 る目が変わった。今回は本当にすまなかったな」 「もう謝るのはいいですから(笑)」 言うと、東郷は苦笑いをして帰って行った。
入れ替わりで麻衣達が戻ってきて、俺は2人にお酒を造ってあげた。 「もうあの男は来ないから。あと、東龍組のマナーの悪い組員も来ないと思うよ(笑)」 「佳ちゃん、本当にごめんなさい・・・」 俺は笑いながら麻衣の頭をクシャクシャとすると、苦笑いをしていた。 瞳はそれを見てニコニコしている。 「いいなぁ・・・私も佳悟さんみたいな彼氏ほしい(笑)」 俺は笑いながらタバコに火をつけると、麻衣は笑いながら俺に腕を組んできた。 「あ、店長?ラストまでの料金払うから2人は上がるって出来る?」 「はい。今日は指名のお客様はもういないですから大丈夫です。それと今回の料金は結構です。実は」 そう言って、店長は東郷が帰る時にお金を払ってきたと言ってきた。 俺が驚いていると、麻衣と瞳も驚いている。 「なんか・・・・貸しを作っちゃったか?まぁ・・・いっか(笑)じゃあ、先にカフェに行ってるから、 2人は着替えたらおいで?」 そう言って俺はお店を出た。 カフェで待ち合わせをして、ご飯を食べてから瞳を送り、家に麻衣を連れて帰ると、今回の事で麻衣は また謝ってきたが、もう忘れろと言うと苦笑いをしていた。 翌日には歌舞伎町内では、俺が東龍組の若頭、東郷を何もしないで土下座させたと噂が広まり、俺はま た有名人になってしまった。
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