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15,解毒剤 ホテルで俺は001から手に入れたケースを開けて、中身を再度確認していった。 葵は向かいに座ってじっと見ている。 「達也さん。どうするの?」 「・・・この解毒剤・・・打つと記憶は戻るけど禁断症状が出ると言っていた・・・でも、打たなきゃ 俺達は後に死ぬとも言っていたんだ」 葵は俺を見て何も言えない表情でいた。 俺は005と書いてある瓶を取り出した。 「今、美月と隼人はケガをしている。葵ちゃんも身体が少し痛いでしょ?俺は何もないから・・・俺が 試してみようと思う」 「でも・・・禁断症状が」 俺はどんな禁断症状が出るのかわからないから、それもふまえて打ってみると笑いながら言うと、葵は 苦笑いをしている。 俺は注射器も取り出し、注射器に解毒剤を注入した。 「葵ちゃん。禁断症状が出た時・・・頼むね(笑)」 そう言って、腕まくりをしてから一呼吸をして俺は注射をした。 注射器をテーブルに置き、ベットに横になり俺は目を閉じた。 すると俺の身体に激痛が走った。 「ぐっ!!」 「達也さん!!」 葵は俺の横に来て身体をさするようにしてくる。 俺は激痛に耐えていたが、さらなる激痛が俺を襲ってきた。 「ぐあっ!!はぁはぁ・・・」 葵は思わず俺を抱きしめてきたが、俺の意識は遠のいていった。 どのくらい意識が無かったのか、目を覚ますと葵は俺を抱きしめたままでいた。 身体を動かすと、葵は俺を見てホッとした顔をしている。 その時、また俺の身体に激痛がはしり頭が割れそうになった。 「ぐあっ・・・はぁはぁ・・・また・・・はぁはぁ・・・くそっ」 「達也さん大丈夫?達也さん!!」 俺は激痛に負けてまた意識を失った。 そして再び目を覚ますとベットで葵は俺を抱きしめるように眠っている。 窓からは外の日差しが入ってきて明るい。 「葵・・・」 身体を起こすと、葵は目が覚めたようで起きてきた。 「達也さん。もう大丈夫なの?」 「・・・うん。なんかごめん」 言うと、葵は顔を横に振り笑っている。 ソファーに移動してタバコに火を付けると、葵は俺に飲み物を出してきた。 身体は大丈夫かと葵が聞いてきて、俺は大丈夫と言って飲み物を一口飲んだ。 「・・・禁断症状って言うか・・・副作用で身体が拒絶反応したのか・・・」 葵は俺を見て何も言えずにいる。 タバコを吸っていると、葵は解毒剤の事を聞いてきた。 俺は葵を隣に座らせ、向かい合うと葵は俺を見ている。 「葵・・・記憶が完全に蘇った。葵の事も覚えてる」 「え?」 今まで、「ちゃん」付けで呼んでいたのに、呼び捨てになった事で葵は驚いている。 俺はニコッとして俺と葵の事を説明し始めた。 葵とは会社に入社当時に出会って付き合うようになり、恋人として過ごしていたが、葵から海外転勤の 話しをされて、今後の事で悩んでいたが俺は応援する形を選択して別れた事を話すと、葵は驚いている。 「葵は記憶が無いから驚くのも無理はないよ・・・俺・・・意識が戻って組織のミッションに復活した 時、葵を見て驚いたんだ。その時には少し記憶が戻っていてね・・・でも」 葵はアメリカで飛行機事故にあい、死亡したはずだと言うと言葉を失っている。 「俺は飛行機事故の事を聞かされ・・・ショックと悲しみで、1人でやけ酒を飲んでいたんだ・・・そ の時、俺は美月に出会った」 「え?」 美月にも話した事を全部葵にも教えると、何も言わずに聞いていた。 俺は飲み物を飲んでまた話しだした。 パームアースは何かでエージェントやバディ候補を選んで、記憶を無くす薬。洗脳や肉体改造の薬とか を使ってモルモットのように俺達を作ってたと話した。 「・・・私・・・どうしたらいいか・・・」 俺はフッと笑い、解毒剤を打つのは急がなくてもいいと言い、隼人が回復してから2人で良く話すとい いと言うと、俺を見てうなずいてきた。 時計を見ると、そろそろ午後12時を過ぎる。 「ね?何か食べてから病院に行こうか?」 「・・・はい」 俺はニコッとしてルームサービスで食べ物を頼んで、食べてから病院に行く事にした。 病院に行くと、美月は目を覚ましていたが隼人はまだ目を覚ましていなかった。 美月は俺と葵を見て嬉しそうな顔をしている。 撃たれた所は大丈夫か聞くとニコッとしてうなずいて、葵も美月に声をかけている。 「達也?001は?」 「ん?死んだ。そして解毒剤は手に入れたよ。もう、これでパームアース総指揮官が死んで機能してな いから大丈夫だと思う」 言うとホッとしている。 「隼人はまだ目を覚ましてないけど・・・早く退院できるようにしなきゃね」 美月は苦笑いをしてうなずいた。 「なぁ・・・俺は置いてきぼりにしようとしてるのか?」 突然、隼人の声がして見てみると隼人が目を覚まし、天井を見ていた。 「隼人!!」 葵は嬉しそうに隼人の手を握った。 「大丈夫か?」 言うと、隼人は俺を見てうなずいてきた。 隼人はパームアースが無くなったなら、俺達のミッション終了だなと言って笑っている。 この後、検診の時間がきて2人は傷口が塞がり動けるようになれば問題ないと言われた。 ホテルに戻ると、美月と隼人が意識が戻った事で葵は嬉しそうな顔をしていた。 俺は残っている武器とかを全部出して、どうしようか考えていると葵が話しかけてきた。 「私、考えたんですけど・・・パームアースの残党って言うか・・・生き残ったのが何人かいると思う んですけど・・・」 「・・・そうだね。遊軍の生き残りは薬がないと、のちに死ぬだろうね。それよりも研究関係でいた人 達が気にはなるな」 俺達パームアースの人間は定期的に薬を打たなければ死んだりする事を思い出し、遊軍や研究員達も薬 を打っていたとして、何らかの方法で生き残る方法を考えて行くはずだと言うと、葵は探そうと言う。 現在、探す方法がないと言うと、葵はパソコンを出してきて何かしだした。 「あった」 そう言って俺に画面を見せてきた。 画面にはリストのようなのが映っている。 葵は本部を責める前にデータベースに潜り込んで、いろいろコピーしていたと言う。 見てみると各部署等に別れている名簿があったが、生存確認とかはわからない。 俺はタバコに火を付けた。 「・・・官房長官を利用するか・・・」 「え?」 防衛大臣が言うのが嘘じゃなければ、官房長官が創設者になる。 俺はスマホを取り出して電話をした。 『官房長官ですか?パームアースの005です。お忙しい時にすいません。お願いがあります』 官房長官は言葉を詰まらせながら、何の用だと言ってきた。 俺はパームアースの遊軍や研究関係に関わっている人達を探して生存確認をしてほしいと言うと、何で そこまでしないといけないのか言ってきた。 『君はパームアースを壊滅に追い込み、001を殺害したのだろう?これ以上何を求めてるんだ』 『001を殺害・・・情報が早いですね(笑)理由は単純ですよ。パームアースに関わる人達を始末。 これだけです』 言うと、官房長官は声を震わせながら自分達も始末するのか聞いてきた。 俺は笑いながらそれは今後の動き次第だと言うと、渋々要望に応えると言ってきた。 『ありがとうございます。早急に生存確認と所在地を調べてください』 『わ・・・わかった。解り次第連絡する』 俺はお願いしますと言って電話を切り、葵を見てニコッとした。 そして数日後。病院からホテルに戻ると、官房長官から連絡が来て名簿がメールで送ってきた。 見てみると、パームアース本部。施設に関わる全員の生存確認もされていて、死んでいる人の名前と住 所には訂正線が引かれていた。 俺は生存確認出来て記載されている住所にいるのだけをピックアップして、まとめだした。 遊軍部隊のリストに関してはそのままにして、官房長官宛に遊軍に関しては薬がないままならのちに死 ぬだろうが、今後の事を考えて処分をと書いて送り返した。 タバコに火を付け葵を見ると、何か思い詰めた顔をしていて、聞くと解毒剤の事を言ってきた。 「私にも解毒剤を打ってほしい」 「・・・いいの?」 そう言って、禁断症状の事を言うと、葵はうなずいていて俺に打ってほしいと言う。 俺はうなずいてケースを開けて薬と注射器を取り出し、葵をベットに寝かせた。 注射器に薬を注入し葵の横に座ると、葵は俺をジッと見ている。 「いい?」 言うと、葵は静かにうなずく。 注射を打ち、俺は葵を抱きしめると葵は俺に抱き着き、そして禁断症状が出始めて苦しみだす。 俺が強く抱きしめると、葵は涙を流しながら苦しんでいる。 「耐えるんだ。俺が付いてる」 言うと、葵は俺を突き放すようにしてきたが、俺が抱きしめていると葵は意識が無くなり静かになった。 俺は何も言わずに葵を抱きしめていると、しばらくしてまた葵が苦しみだし、涙を流しながら苦しみに 耐えていた。 俺が強く抱きしめると、俺の肩の所を噛んだりしだす。 「ぐっ・・葵・・・もう少しだ・・・耐えるんだよ」 それでも俺は葵を放さずにいて、次第に葵は力尽き意識を失った。 夜が明けて目を覚ますと、葵は目を覚ましていたようで俺を見ていた。 大丈夫なのか聞くと、俺を見てうなずいてきた。 「達也・・・」 「・・・葵・・・記憶が戻ったんだね」 葵は俺に抱き着いてきた。 優しく頭を撫でると、懐かしいと言って俺の胸元に顔をうずめて来た。 「私・・・飛行機事故で・・・でも、目を覚ましたらパームアースに」 「うん。いいよ。何も言わなくて」 そう言って抱きしめると、葵は抱き着いてきた。 少しして、お互いに起きてソファーに座ると、葵は俺の服の肩部分に血の跡があると言ってきた。 俺がたいしたことじゃないと言うと、手当しなきゃと言って俺の服を強引に脱がせる。 「・・・歯形・・・私・・・」 葵は思いだしたのか俺に謝ってきた。 「大丈夫だよ。気にしないで」 言うと、葵は下を向いてしまった。 気分はどうかと聞くと、今までと変わらないが記憶が蘇った事で変な気分だと言う。 俺は笑いながらタバコを吸いだした。 |